日帰り手術
緑内障手術
緑内障は早期発見・治療が大切
緑内障は、視神経に異常が起こることで、視野や視力に障害が生じる病気です。
放っておくと失明の恐れもあります。
緑内障の視野欠損
視野の欠け方には個人差がありますが、イメージとしては下図のように進行していきます。
灰色の部分が視野の欠損部分です。
視野が狭くなったり、部分的に見えなくなったりしても、もう片方の目が視野を補うため、初期段階では気付きにくい病気です。ご自身で「見えない部分があるかも?」と気づいたときには、かなり病気が進行している場合が多いです。
初期
中期
後期
緑内障の早期発見のため、視神経繊維の状態を調べています
以前は緑内障の原因として高眼圧が考えられていましたが、近年、正常眼圧内で緑内障を起こしている患者様が圧倒的に多いことが分かってきました。そのため緑内障の診断は、眼科医が直接目の奥の神経の状態を観察したり、視野検査を行うことで診断していく必要があります。
最近はOCT(光干渉断層撮影)によって、直接、網膜にある視神経の厚さを測定することで、視野検査でも異常が見つからない、超早期の緑内障も診断できるようになりました。
緑内障の日帰り手術
当院では緑内障手術も日帰りにて対応しております。
病状、患者様の生活スタイル、今後の予想される緑内障進行度を考慮し、適切な緑内障手術を提案、実施させていただきます。
トラベクレクトミー(線維柱帯切除術)
トラベクレクトミー(線維柱帯切除術)は、代表的な濾過手術であり、強膜弁下から前房内へ房水流出路を作成し前房内から眼外へ房水を排出させることで眼圧下降効果が得られる手術です。
1. 結膜を切開し、その下の強膜を半分の薄さになるようにはがします。残した強膜と、虹彩に穴を開けます。
2.はがした強膜をかぶせて縫いつけ、結膜を元に戻します。房水が強膜と結膜の間に排出されるようになり、眼圧が下がります。
トラベクロトミー(線維柱帯切開術)
緑内障の線維柱帯の目詰まりに対して、薬物治療・レーザー線維柱帯形成術を行っても十分な眼圧下降効果が得られない場合に実施される手術が、流出路再建術(トラベクロトミー)です。強膜を切開し、眼球の外側から線維柱帯を切開して、目詰まりを解消し、房水流出の促進を目的とした手術です。
1.茶目の上方の白目の部分に2ミリ〜3ミリ程度の弁をつくり、さらにその下にある強膜の一部をめくります。そこからシュレム管の中に細い針金状の器具を左右に入れて、管の前方にある詰まった網の目状の組 織を切開します。
2.はがした強膜をかぶせて縫いつけ、結膜を元に戻します。線維柱帯の目詰まりがとれ、房水が眼球の外に出ていきます。
iStent(アイステント)
iStentは緑内障を治療するために使われる医療機器です。
iStent inject®Wは世界で最も小さい医療機器であり、長さ0.3mmという微小なステントを眼内にインプラントすることで、線維柱帯網をバイパスしシュレム管に房水を流すことで、眼内の自然な房水排出を促進します。
白内障と同時にできる、術後の回復が早い、目薬の数を減らせるなどのメリットがあります。初期から中期の緑内障の方に適応がありますが、診察を行い、検討します。
手術の痛み・麻酔について
緑内障手術は、点眼麻酔を行った後に、テノン嚢下麻酔(白目にする注射の麻酔)を行います。
目の部分だけの局所麻酔となります。
手術中は、目を触られる感覚や少し押されるような感覚、また手術中に使う目薬が少ししみる感覚などはある方が多いですが、ほとんどの方は痛み感じません。